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こんにちは!スタートアップネクスト編集部です。 こちらのサイトでは、スタートアップやベンチャーの経営や起業に興味をお持ちの方に対して、スタートアップや最先端技術やビジネスについてのノウハウや知識についてプロのベンチャーキャピタルがレクチャーしています。
今や日本を代表する大企業となった『ソフトバンク』
ソフトバンクはもともとPCパッケージソフト販売会社に過ぎない企業でした。しかし、今では世界で名だたるファンドを運用し、時代を左右する存在にまで成長しています。今後私達の生活を一変させる可能性のある人工知能(AI)やFinTech分野、IoT分野など、次の世代を見据えた投資にも積極投資しています。
今回はソフトバンクの軌跡から、世界を驚かせた巨大ファンド発足、そしてソフトバンクの事業投資分野についてお伝えします!!
※起業やスタートアップの経営に興味がある方はこちらの記事もご覧ください
これまでのソフトバンクの軌跡

まずはソフトバンクがどのような軌跡を辿ってきたのか、孫正義氏が創業後の奇跡について振り返ってみましょう!!
【ソフトバンク軌跡】
1982年、孫正義氏が中心となって、パソコン用パッケージソフトの販売会社として、日本ソフトバンクが設立。
1995年、アメリカ国内中心としたベンチャーキャピタル、ソフトバンクキャピタルを設立。
1996年、アメリカのYahoo!incと共同出資で、日本国内でヤフーを設立。インターネット企業として本格始動。
同年、 ソフトバンク・インベストメント(現SBIインベストメント)を設立、ベンチャーキャピタルファンド等の運用・管理を開始。
2000年、中国アリババに20億円の出資し、同社株式の30%以上を保有する(その後、8兆円の含み益まで拡大)
2001年、通信サービスに参入。「Yahoo!BB」ブロードバンドサービスを開始。
2004年、日本テレコムを子会社化、固定通信事業開始。
2005年、元福岡ダイエーホークスを買収、福岡ソフトバンクホークスとなる。
2006年、ボーダフォン日本法人を子会社化、移動通信事業開始。
2013年、アメリカのスプリントを子会社化し、アメリカ通信市場へ進出する。
2017年、サウジアラビアなどと共同で、10兆円規模の投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を発足。
いかがでしょう。スピード感が半端ないですよね。ソフトバンクの強みは新しいテクノロジーの出現に怯えず常に新しいことに取り組んでいるところだと私は思います。今後も活躍から目が離せません!!
ソフトバンクが投資している事業

ソフトバンクは現在6つの事業を中心に投資しています。
それが、以下6つの事業。
「国内通信事業」、「スプリント事業」、「ヤフー事業」、「流通事業」、「アーム事業」、「SVF事業」。
一つ一つ追ってみましょう。
「国内通信事業」
日本国内での移動通信サービスの提供、携帯端末の販売、ブロードバンドサービスの提供などを行っています。昨今は「SoftBank 光」などのサービスに注力しています。「SoftBank 光」とセットで移動通信サービスの通信料金を割り引くサービス「おうち割 光セット」の拡販に注力しています。依然としてソフトバンクの業績の基盤を支える重要な事業ですが、大きな成長性は期待できず、ほぼ横這いの推移が見込まれます。
「スプリント事業」
米国での移動通信サービスの提供、携帯端末の販売やリース、アクセサリーの販売などを手掛けています。2013年、米国のスプリントを買収し、事業の一つの柱となっています。元々米国スプリントは赤字企業でしたが、コスト削減も功を奏し、黒字化しています。高収益事業のポストペイド携帯電話の契約数獲得に注力し、さらなるコスト削減を強化しています。
「ヤフー事業」
インターネット上の広告事業、イーコマース事業などを手掛けています。ご存知検索サイト「Yahoo!」に関わる事業です。1996年、いち早く国内の検索サイトで不動の地位を築きあげました。急成長には至りませんが、現在のソフトバンクの事業を支える大きな柱の一つです。
「流通事業」
創業当時の事業です。PCソフトウエア、周辺機器、携帯端末アクセサリーの販売、海外での端末販売事業です。商品によっては減少傾向をたどっており、この事業は横這い、または微減の傾向です。
「アーム事業」
マイクロプロセッサーのIPおよび関連テクノロジーのデザインを行う事業です。2016年、約3兆3,000億円で買収した、イギリス本社のARMホールディングスの事業です。ARMのチップ出荷台数は148億個以上で、なんとインテルの約40倍にも達しています。このチップはスマートフォンで95%以上、タブレットで85%以上、ウェアラブルで90%以上、ストレージで90%以上、車載情報機器で95%以上であり、半導体設計では市場を独占していると言っても過言ではありません。ARMは今後のIoT分野における重要企業と言われています。
「SVF事業」
SoftBank Vision Fundによる投資事業です。2017年、サウジアラビアなどと共同で10兆円規模の投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を発足しました。世界各地で今後の時代をつくり上げるテクノロジー分野に対し、ベンチャー企業、大企業問わずに買収が可能となります。孫正義氏、ソフトバンクの先見の明を生かし、今後のテクノロジー分野に大きな影響力を及ぼすことが見込まれます。
ソフトバンクビジョンファンドとは

先ほど述べた「SVF事業」。今ソフトバンクが一番力を入れているといっても過言ではない事業かもしれません。詳しく見ていきましょう!!
世界中が驚いた、巨大ファンド。欧米の著名な投資家にもインパクトを与えたと言われています。
その名も「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」。
2017年5月、サウジアラビアなどと共同で930億ドル(約10兆4,000億円)規模の投資ファンドとして発足しました。もともと、ソフトバンクとしての投資事業はアメリカでのアーリーベンチャー向けベンチャーキャピタル、ソフトバンクキャピタルと、日本国内のベンチャーキャピタルSBIインベストメントをグループ企業で投資事業を行ってきました。
しかし、今回、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」では10兆円規模の投資ファンドと、大型投資を可能とし、全世界をターゲットに、ベンチャー企業、大手企業に関わらず、投資することを可能としたところが、今までの投資事業と大きな違いです。「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」運営トップにはラジーブ・ミスラ氏が就任。もともとドイツ銀行で債券部門の責任者を長く務めた人物。これから投資判断はロンドンに拠点を置くミスラ氏のチームが中心となって進めていく予定です。
もちろん、孫正義氏も積極的に関与、既存の事業領域にシナジーがあるテクノロジー分野、次世代を形成するテクノロジー分野を中心に、全世界で投資していくことでしょう。
具体的な投資先は
- IoT(Internet of Things)
- 人工知能(AI)
- ロボティクス
- モバイルアプリケーションやコンピューティング
- 通信インフラと通信事業
- 計算生物学
- その他データ活用ビジネス
- クラウドテクノロジー
- ソフトウェア
- 消費者向けインターネットビジネス
- 金融テクノロジー など
となっています。ソフトバンクの広範囲の最先端のテクノロジー分野をカバーしていく方針が垣間見えますね。
ソフトバンクビジョンファンドの主な投資先
次はそんな全世界から注目を集める「ソフトバンクビジョンファンド」の投資先をみていこう!!
ナウト(Nauto):アメリカ(パロアルト)
自動運転技術のスタートアップ。AI、カメラ、センサーを組み合わせて、運転状況を把握し、安全性を向上させる。同社のプラットフォームが自動運転車の開発に寄与し、開発速度を速めるとしている。
ソフトバンクの出資額:1億5900万ドル
ブレイン・コープ(Brain Corp):アメリカ(サンディエゴ)
サンディエゴに拠点を置くAI(人工知能)企業。同社のソフトウエアは、自律型の機械やロボットに使用される。
ソフトバンクが参加した最大の投資ラウンドの規模:1億1400万ドル
ソーファイ(SoFi):アメリカ
アメリカで最大級のオンライン融資仲介サービスを提供する同社は、学生ローンの統合・借り換えからスタートし、2013年には住宅ローンも手掛けるようになった。現在、本格的に銀行業を開始する準備を行っている。
ソフトバンクの出資額:10億ドル
スナップディール(Snapdeal):インド

インドのネット通販大手。オンライン取り引きサイトとしてスタートしたが、大規模な電子商店街へと発展した。現在、30万を超える売り手を抱えている。
ソフトバンクの出資額:6億2700万ドル、後に5億ドルの投資ラウンドにも参加
ペイティーエム(Paytm):インド
インドの電子決済スタートアップ。インド政府が高額紙幣の流通を中止したことで、同社は急成長した。同社の電子ウォレットにチャージされたお金を利用することで、航空券から金塊まで、あらゆるものを購入できる。
ソフトバンクの出資額:14億ドル
インプロバブル(Improbable):ロンドン

ロンドンを拠点とするVR(仮想現実)のスタートアップ。非常に高度な仮想空間を作り出す。ゲームやスマートシティのモデリングなどにも使用される。
ソフトバンクが参加した最大の投資ラウンドの規模:5億ドル
オラ(Ola):インド
インドの配車アプリ大手。ウーバー(Uber)に対抗して急速に事業を拡大している。オートリキシャ(改造三輪車タクシー)、電動リキシャ、あるいは普通のタクシーを予約することができる。
ソフトバンクの出資額:2億5000万ドル、以前の4億ドルの投資ラウンドにも参加している。
ワンウェブ(OneWeb):アメリカ

低軌道衛星を使って、高速かつ遅延の少ないブロードバンド接続を提供する。同社は、遅延を500ミリ秒から20ミリ秒にまで改善し、光ファイバーに近い接続環境を提供することを目指している。
ソフトバンクの出資額:10億ドル
いかがでしたでしょうか。
孫正義氏が創業したソフトバンク。PCソフトパッケージ販売の小さな企業でしたが、大きく成長したのはアメリカのYahoo!incと共同出資で開始した日本の「Yahoo!」事業。いまや中国を代表する企業にまで成長した中国最大のショッピングモールを運営するアリババへの投資もまだ中小企業のタイミングで投資を実施。含み益は最大8兆円にまで達しています。
孫正義氏の最大の強みは先見の明。
今、ソフトバンクが目指している方向は、実現する「未来」なのかもしれません。
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